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懐中のトッケイ

わたしはここでかわいていく

連作15首「稽古の納め」

※ちょっと神道関係の言葉が入るので、意味を調べてもらうとより結構です。

 

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一年を稽古で締める数寄者の二十余名の顔ぶれを見る

 

大祓を上げをる声に師の若き神職のころを思ひつつゐる

 

柏手を打てば神事はやみゆきて一礼の間に指に入る熱

 

病みてなほ畳に立てる師の面はさきに見しよりややこけてをり

 

勢いよく飛びたる人の畳打つ音の軽さに技を覚ゆる

 

跳ね起きて投げられてまたゆくなかに気はつながりて途切れずにあり

 

おのが身を削ぐがごとくに受け身してやうやう道着の重くなりゆく

 

相坐して礼することの幾十回 やっと心が澄んできたのに

 

毎回の稽古はこの技で終わる七つで習ひまだできかねる

 

直会と称して囲む一升瓶 投げ合うた手で清め合ふこと

 

神酒寄せて師の盃をうかがへり 食道癌と言うたぢゃないか

 

「わりあいにいけるでしかし、おうすまん」今のうちかもなどと思ひて

 

神前にあれど四ツ足のうまきことなくなればまた作る豚汁

 

十年ぶりに畳を踏みし長兄の「来てよかった」を聞けてよかった

 

来年も来むとぞ思ふあとすこしの言祝ぎを待つ稽古の納め

 

 

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去年は身内に不幸があって、新年の挨拶がろくにできていませんでした。

 このほど心の罪穢れは道場に流してきたので、心機一転がんばります。

みなさん今年もよろしくお願いします。